休職したい旨を職場に切り出すタイミングって、なかなか難しいですよね。
それが内面的な事由による場合はとりわけ難しい。
あまり周囲に対して大っぴらにしたくない事情があったりもしますから。
- なんとか上司の邪魔にならないタイミングで申し出たい…
- なんとか周りの同僚の目に触れないタイミングで申し出たい…
こんな感じで常に気を張り巡らせて隙をうかがっていると、それだけで疲れちゃうんですよね。
今回は、ぼくが実際に上司へ休職を申し出たときのことを書いていきます。
同じように悩む方にとって、ひとつの例として何か参考になれば嬉しく思います。
ぼくが休職したときのこと
休職に入るまでの流れ
ぼくの場合は、適応障害の症状に耐えかねて休職しました。
もっとも、適応障害の診断を受けたのは現に仕事を休み始めた後だったんですけどね。
まず上司に「もう無理なんでしばらく休ませてください!」というお話をして有給を取り、そのまま後追いで正式な休職に移行した形です。
流れとしては次のような感じ。
- メンタル不調が続き、いよいよ心身に限界を感じる
- 上司に「しばらく休ませてほしい」と願い出る
- ようやく精神科を初診⇒適応障害の診断書をもらう
- 職場に診断結果を伝え、休職を申し出る
④のときにはすでに自宅療養に入っていましたので、
「どのタイミングで切り出すべきか…」
と実際に思いあぐねていたのは、②の段階ということですね。
このときのお話をしていきます。
休日に切り出しました
ぼくが意を決して上司に休職を申し出たのは、休日出勤のタイミングです。
ある日曜日の午後、上司とぼくのほかに誰もいないオフィスでした。
どちらも自分の業務が忙しい時期で、たまたま同じ時間帯に職場に出てきていたんですね。
「休日なら周りに同僚もいないし、きっと上司も平日ほどバタついてないでしょ!」
ということで、千載一遇のチャンスとばかりに切り出すことにしました。
すみません…。
実は仕事で心身に限界がきてしまったようで、このままでは出勤しても業務がとても手につかない状況なので、しばらくお休みをいただけないでしょうか…。
まずは心療内科を受診して専門家と相談したいと考えております…。
といった感じでおずおずと申し出ました。
こんな話をよりによって休日に申し出るのは大変気が引けたのですが、当時のぼくにはそんなこと言ってられないくらいの焦燥感があったのです…。
(↓この頃の症状について書いています。)
ありがたいことに、上司はすぐにその場で話し合いの時間をとってくれました。
そしてぼくが自身の症状と休養したい旨を告げると、次のような温かい言葉をかけてくれたのです。
- こうして本音を打ち明けてくれてよかった
- とにかく今はゆっくり休むことに専念してほしい
- あとの業務のことは部署内でなんとかするからまったく気にしなくていい
いやあ、これには心底救われた思いがしました。
優しい言葉をかけてもらった嬉しさと、やっと苦しみから解放されるんだという安心感。
普段は人前で泣かないぼくですが、このときばかりは涙をこらえきず、鼻をズビズビいわせてしまいました。
この日の一連のやり取りとしては、時間にして20分くらいだったかと記憶しています。
申し出たあとのこと
結局ぼくは、申し出た翌日(月曜日)の午前中までは通常どおり出勤することになりました。
すぐにでも休んでいいとは言われたのですが、至急案件の処理だったり、最低限の業務引継ぎだったりの時間が必要でしたので…。
そして午後から逃げるように早退し、以降は有給を使って当面の間お休み、といった流れです。
この日も上司にはいろいろと配慮していただき、ぼくは周りから変に注目されることもなく、さらっと職場を離れることができました。
その後の手続き的なことは、坂道を下るようにスムーズでした。
適応障害の診断書をもらってからの休職手続きは、すべて上司とのメールのやり取りだけで完結です。
ぼくにとっての山場は、やっぱりあの休日の申し出の瞬間でしたね。
その他作戦いろいろ
以上がぼくのケースでしたが、正直かなり運に恵まれてたと思います。
ちょうどメンタルが崩壊しそうなタイミングで、人目を気にせず落ち着いて上司と相談できる機会があったわけですから。
実は当時、休職を切り出すタイミングに迷っていたぼくは、ほかにも色々な申し出作戦を空想していました。
どうにかして上司と二人きりで話せる環境を作りだしたいわけなので、
「ご都合のよろしいときにどこかで内密な相談ができるお時間を取っていただけませんか」
とこっそり伝えることさえできれば、まずはそれでOKなのです。
具体的な作戦としては、たとえば次のような感じです。
- 終業後、オフィスに人が少なくなってきた頃に残業中の上司を狙う
- 業務上の会話や書類の稟議をするタイミングでついでにさらっと伝える
- 上司がトイレに立った際に追跡し、廊下など人気のないところで伝える
- 直接伝えるのは諦めて、上司の業務用PCへメールで連絡する
- 就業中は諦めて、休日にでも上司の個人的な連絡先に連絡する
当時のぼくなら、この中だと上司の業務用PCへメールで連絡する作戦を選ぶような気がしますね。
職場では、近くの席にいる人にも何かとメールを使ってやり取りをする風潮もありましたので。
「ちょっと話をするくらいでそんなに深く考える必要ないだろ!はよ言えよ!」
という声もあるかと思いますが、いやいやとんでもない、それは状況によります。
職場の人間関係やメンタルの落ち込み具合、あるいは性格によっては、ぼくのように休職を切り出すだけでも精神的な負担を感じてしまう方も少なくないと思います。
今同じようにお悩みの方は、恥じる必要はまったくないですよ。
多少非常識でも、とにかくSOSをいち早く発信して、まずは休養を必要としている自分の安全確保を優先するくらいでいいと思います。
状況に応じてベストな方法を採用し、なんとか休職の申し出がうまくいくよう応援しています。