今回は、公務員試験のことについて回想してみたいと思います。
おそらく多くの自治体では、
① 一次試験:筆記試験(専門科目、教養科目)
② 二次試験:個人面接、集団討論、論文課題など
というおおまかに2つのステップを経て、正式に採用に至るシステムとなっているはずです。
この記事では特に、公務員試験のうち「個人面接」の部分にスポットを当てて、
- 面接で聞かれた印象的だった質問内容
- 面接全体を通してどんなことを感じたか
について体験談としてまとめていきます。
というのも、自分が公務員試験を受けるにあたって最も不安に感じていたのが個人面接だったんですよね。
受験から6年半ほど経過していますが、印象的だった部分については、断片的ながらも結構ハッキリと覚えています。
これから面接を控えている方など、何かの助けになれれば幸いです。
個人面接の雰囲気
まずは面接全体の雰囲気に関してです。
会場のレイアウトとしては、こんな感じでした。
面接官の皆さんは大体30代~40代くらいだったように思います。
正直なところ、予想していたよりも面接官の数が多かったので、会場に入った瞬間にビビってしまいました。
なんか取り囲まれているような配置になってるし。
さらに脇のほうで1名、こちらに全く興味なさそうにボールペンをいじっている面接官が座っていたのを覚えています。
やや長い茶髪で不愛想な、あんまり公務員っぽくないなぁ、という印象の方でした。
今思うとプレッシャーをかける要員だったのかもしれませんね。
実際に面接が始まってみると、このうち質問に参加してくる面接官は2~3名のみでした。
正面に座っておられた女性の面接官がメインの進行役となって、たまに流れに応じて両サイドの男性面接官が質問を重ねてくる感じ。
進行役の方がかなり柔らかい口調だったので、やり取りにおいては「圧迫面接」という感じは全くありませんでした。
終始穏やかに、淡々と進んだ面接だったかと思います。
志望動機に関する質問
続いて、具体的な質問内容についてです。
ここでは個人的に印象に残ったものを抜粋してご紹介します。
まず志望動機に関する質問ですが、これは必ず聞かれるといっていいほど超ベタな内容かと思います。
もちろん事前に受け答えの準備もしていました。
ただその後の展開が少し予想外だったということで、今でも記憶に残っています。
どうして県庁職員になろうと思ったのですか?
これはわりと早い段階で聞かれました。
返答としては、ざっくりこんな感じ。
中学校時代に学校の代表として「中学生議会」に参加し、地域で取り組むべき問題や解決のための施策について深く検討した経験がきっかけとなりました。
住民の暮らしに寄り添い、社会を下支えする仕事に魅力を感じたことから、ぜひ大きなスケールで地域貢献に携わりたいと思い、志望させていただきました。
中学生議会といって、「中学生が市議会の場でプレゼンをして市長に物申す」みたいなイベントに出たことがあったので、これに絡めて答えた形です。
将来的には議員として立候補したいと思っていますか?
そこで返されたのがこの質問です。
いやあ、ごもっともなリアクションですよね。
議会で魅力を感じたなら、議員になればいいじゃないかと。
正直に言いますと、当時のぼくは議会と行政をなんとなーく同じカテゴリで捉えているところがありました。
どちらも「公のもの」、「地域全体のために頑張る人たち」みたいなイメージで、その位置づけについての認識が甘かったからこそ、イマイチ筋の通らないことを回答してしまったんですね。
この質問にびっくりした結果、
あ、いえ…今のところその予定はなく、県の職員として邁進したいと考えております。
みたいなパッとしないことを言い、面接官の方には、
「『今のところ』ってことは、今後気が変わって出馬するかもしれないということですかね(笑)」
とコメントされてしまいました。
ぼくはというと、
いやいや、そういった気はないんですけれども…ハハハ…(苦笑)
などとヘラヘラしていました。
一連の受け答えとしては微妙でしたが、このとき会場の雰囲気はわりと和やかでしたし、自分としてもある程度緊張がほぐれるきっかけになったかなと思います。
行政組織と議会の役割の違いについてはどのように考えていますか?
続いてこの質問をされたことで、少しピリッと引き締まった思いがしました。
「お前がなろうとしている県の職員というのがどういうものか、ちゃんと分かっているのか?」
という面接官の圧が伝わってきた気がしたからです。
脳をフル回転させて、
議会で可決された条例や施策を「いかにして現実に運用していくか」を模索する意味で、行政の役割においては高い分析能力・バランス感覚が求められると思います。
どうすれば現場での支障を抑えられるか、どんなやり方が最も住民にとって利益になるかを常に意識し、議会以上にきめ細やかな視点で仕事を進める必要があると考えています。
と、こんなようなことを言ってお茶を濁しました。
一応納得してもらえたようで、志望動機に関する質問はここまででした。
併願状況に関する質問
もうひとつ記憶に残っているのは、併願状況についての質問です。
これもかなりベタな質問ですよね。
他の自治体も受験していますか?
この面接時点で、第二希望として県内の市役所も受験していたので、正直にその旨を答えました。
御社一筋でやらせてもらってます!というスタンスの方が良いんじゃないか、という意見もありそうですが、どう考えても嘘っぽくなっちゃうんですよね。
「むしろ滑り止めをしっかり確保している方が公務員にふさわしいリスク管理の在り方だから、併願先は堂々と答えるべき!」
という言説もあったので、ぼくはこちらに乗っかろうと事前に決めていました。
また、その併願先を志望した理由についても聞かれたので、その市の地域資源的な魅力について語りました。
もし県庁で不合格となり、併願先では合格となった場合どうしますか?
ぼくが面接中で一番答えに窮したのは、この質問です。
似たような質問として、
- ウチと併願先のどちらが第一希望ですか?
⇒もちろんコチラです! - 今年公務員になれなかったらどうしますか?
⇒来年も受験します!
といったパターンは想定していたのですが、なぜか「併願先だけ受かった場合」という質問の答えをちゃんと用意していなかったんですよね。
しどろもどろしつつも、結局は自分の本心のとおり、
県での採用が第一希望ですので、ぜひともこちらで県民のために力を尽くしたいと思っておりますが、もしそれが叶わなかった場合は、○○市(併願先)職員の立場として市や県に貢献していくことを考えるかと思います。
といった返答をしました。
面接官からは特にそれ以上の追及はなく、「ははぁ、なるほど」といった感じでした。
全体を振り返って
特に最後の質問に関しては、結局どのように答えるのがベストだったのかは今となっても本当に分かりません。
それでも変に取り繕おうとせず、自分の本心をそのまま伝えることができたのは良かったかな、と思っています。
面接に臨むうえでぼくが意識していたのは、
- 過度に自分をよく見せようとせず、本心から話す
- 自然体で、人懐っこさを惜しみなく出していく
ということでした。
プレッシャーや想定外の質問がありつつも、この原則を守れたという意味で「成功」といえる面接だったと思います。
少なくとも、「人の良さ」「誠実さ」のアピールにはなった気がしています。
究極的には面接って、
「この人と一緒に働きたいか」
を感じてもらうステージですもんね。
ガチガチに隙のない受け答えを準備したり、能力の高さだけを伝えるよりも、むしろ積極的に押し出すべきは、親しみやすさとか人間性の部分ではないでしょうか。
多少ヘラヘラしちゃっても、それだけでは落ちないので大丈夫ですよ。
その分あくまで誠実に、自然体の受け答えを大事にしていきましょう。
以上、少しでも参考になれば嬉しいです。
(↓集団討論の体験談も紹介していますので、あわせてどうぞ。)