公務員は労働組合に入ったほうがいい?加入しなかったぼくの体験談【デメリットは特になし】

公務員の方で、
「労働組合には入りたくない!」
という本音を抱えている方は結構多いと思います。

とはいえ、組合に所属しない公務員というのはやっぱり少数派です。
何かと昔ながらの同調圧力・事なかれ主義の雰囲気が強い世界ですから、それを振りきって異端者となるのは、なかなか思い切りが必要かもしれません。

ぼくは某都道府県庁に入庁してから、労働組合には一度も加入しないまま6年間の公務員生活を終えたのですが、その中で非加入によるデメリットを感じたことはまったくありませんでした。

異端者でも全然居心地は良かったので、そういった公務員時代の所感について綴っていきたいと思います。

労働組合(職員団体)の意義

労働条件の保守と改善

そもそも「労働組合」とはなんぞや?というところですが、

労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体

です。

資本主義社会において、一般的に労働者というのは”使役される側”ということで立場が弱いので、
「みんなで団結して経営者に立ち向かおう!労働者の権利を守ろう!」
というグループを結成しているわけですね。

民間企業では「労働組合」ですが、公務員においては正式には「職員団体」といいます。
名前は違いますが、コンセプトは大体一緒です。

この法律において「職員団体」とは、職員がその勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体又はその連合体をいう

地方公務員法第52条第1項

(いちいち区別するとややこしいので、以降この記事では「労働組合」とまとめて呼ぶことにします。)

公務員の労働組合はちょっと弱い

ちなみに公務員の労働組合は、民間に比べて団体としてのパワーが弱めです。

例えば、組合が「もっと給料上げろ!」と人事当局に交渉したところで、直接的な影響はありません。
職員の給与は条例で決まっているので、内部で交渉されても組織は自由にこれを変えられないからです。

給与に限らず、福利厚生や服務規程なんかも全部条例に基づいていますから、待遇向上のためには交渉よりむしろ議会の決議(=住民の合意)が壁になってくるんですね。

また、民間の労働組合にはストライキの権利が認められていますが、公務員のストは法律で禁じられていたりします。

そんなこんなで、
「公務員は労働組合に加入してもイマイチ恩恵が少ないんじゃないか」
という指摘もされているところです。

一方で、
「労働条件を守るために『みんなで声を上げるためのチカラ』は必要だ」
という意見もごもっともで、実際ほとんどの公務員が労働組合に所属している状況があります。

まあ法令上は労働組合に加入するかどうかは完全に自由なので、結局は本人の考え方次第、ということですね。

組合に入らないという選択肢

ぼくは労働組合に加入していませんでしたが、だからといって不便や不利益は何もありませんでした。
むしろ集会や回覧物に気を取られなくていいのが快適で、「入らなくて良かったなぁ」と常々感じていましたね。

「組合に入らないと昇給や給与の面で影響するんじゃないか…」
という不安の声もあるかもしれませんが、そんなことはないので安心してください。
このあたりは条例規則で決まっているので、どの職員も平等です。

ですので労働組合の事業内容をふまえて、
・組合費に見合うメリットが得られそうなら加入する
・そうでないなら加入しない

とシンプルに考えればいいかなと思います。

組合加入のメリット

公務員が労働組合に入ることのメリットとしては、おおむね次のような感じです。

  • 組合の親睦イベントに参加できる
  • いざというときの相談役になってもらえる
  • 組合の共済制度(保険やローンなど)を利用できる
  • 多数派になれてなんとなく安心

組合の親睦イベントに参加できる

組合が企画する交流イベントは部署の垣根を超えて色んな人と仲良くなれる機会なので、
「積極的に交友関係を広げたい!」
という方には良いかもしれません。

例えばぼくの同僚は、船を貸切っての海釣り交流会を楽しんでいました。
個人ではなかなかできないことも、組合費から出資してくれるおかげで気軽に参加できるのはメリットですね。

いざというときの相談役になってもらえる

労働組合は職員の味方なので、就労上で何か困ったことがあれば相談役になってくれます。

  • 自分の事情を全く無視した不当な人事のせいで苦しんでいる
  • ハラスメントやサビ残で辛い思いをしている

といった境遇に陥り、これを是正しようとする際は、労働組合は心強い後ろ盾として機能するはずです。
やっぱり何かを変えるには団体のチカラって大きいですからね。

メリットが魅力的かどうかは人それぞれ

ちなみに上述したような労働組合のメリットについて、ぼく個人としてはどれにも魅力を感じませんでした。

ぼく

もし自分が職場環境に苦しんだり、公務員としての待遇面に不満が生じたときは、たぶん組織に訴えかけるよりもさっさと辞めることを選ぶだろうな…。

と、入庁時からこんなことを考えていたので、あまり団結する意味が見出せなかったんですよね。
(そして数年後、実際にさっさと辞めることになりました。)

また職員間の交流も、
「気が合う人とだけゆるゆるやっていけたらいいや」
というタイプだったので、組合の交流イベントも特に参加したいとは思いませんでした。

というわけで、
組合費に見合ったメリットは得られない
⇒ 加入しない

となったわけです。

非加入でも仲間外れにされるわけではない

ぼくが少し心配していたのが、
「労働組合に加入しなかったことで周囲から異端扱いを受けないだろうか…。」
ということでした。

労働組合に加入していない人は、組合員の皆さんの団体活動の成果にいわばタダ乗りして、組合員と同等の待遇を享受しているわけなので、ここに対する罪悪感をちょっぴり感じるところもあったのです。

そして所属においては定期的に組合の回覧物が配布されたりするので、その時に自分が非組合員であることは周囲にバレてしまうんですよね。

しかしぼくの経験上、非組合員だからといって嫌な顔をされたり冷たい態度を取られたりといったことは一度もありません。

むしろ、
「自分もそろそろ脱退したいんだよね~」
とサッパリ反応してもらえることがほとんどでした。

かつての上司いわく、

上司

昔はほとんど全員加入が当たり前で、組合に入ってない人はよっぽどの異端者として見られたけど、最近はそんな感じでもなくて、ちらほら非組合員も見かけるよね。

とのこと。

ぼくが若手率の高い所属にいたときは、体感で半分くらいの職員は労働組合に入っていなかったように感じます。

時代が移り変わるにつれ、そのあたりの感覚もかなり変わってきているんですね。

労働組合に加入しない方法

ここからは、
「労働組合に加入したくない」
という方に向けたお話です。

一度労働組合に加入すると、脱退するのは結構大変です。
もれなく強い引き止めがあるので、面談などを繰り返して手続き完了までに1年くらいかかったという話もよく聞きます。

その場合は法令の条文を盾に、
「面談とかいいんでとにかく脱退させてください」
と事務的に申し出るのが良いと思います。

職員は、職員団体を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる。

地方公務員法 第52条第3項

もしこれから公務員として頑張っていく方で、始めから労働組合に加入しないことを考えているのであれば、ぼくのケースのように加入手続きをひたすらスルーするのが楽なのでおすすめです。

加入の書類をそもそも出さない

労働組合の勧誘方法は自治体によるかと思いますが、ぼくの場合は新人研修のタイミングでした。

採用に伴って、宣誓書やら振込口座の書類やら、色々と重要な提出物がある中で、その中の一つに労働組合の加入申込書も入っていた形です。
「大事な書類を回収していくので、漏れのないように提出してくださいね」
という流れの中で、多くの人はあまり深く考えずに組合に加入することになるわけですね。

加入したくない場合は、ここで加入申込書を提出しなければOKです。

度重なる勧誘は柔らかくお断り

加入申込書を提出しなかった場合、休憩時間などに組合の担当者から勧誘のアプローチがあったりします。

「労働組合の加入申込書が未提出のままだったので、近日中に提出してください」
「他の職員の方々はみんな加入されていますよ」

と、こんな感じです。

当時のぼくは、

ぼく

すみません、自分は加入する必要性を感じないので、今後加入したくなったらこちらからご連絡しますね。

などと言ってやんわり断っていました。

その後何度か、休み時間にでも面談を設けたいという提案もありましたが、
「休んでる時間がないくらい忙しいので当面は無理です!」
と返していたら半年ほどでお声がかからなくなりましたね。

後から脱退手続きをしようと思うと何かと気力と体力が要るので、やはりできれば最初から加入しないのが手っ取り早くていいと思います。

まとめ

ということで、今回は公務員の労働組合についてでした。

加入・非加入を巡っては同調圧力もあって判断に迷うこともあるかもしれませんが、近年は非加入の割合も増加傾向にありますし、シンプルに自分の役に立つかどうかで決めてしまうのがいいですよ、というお話です。

加入するも良し、加入しないも良し。

なんとなくで組合員となっている方は、サブスクを見直すような感覚で、改めて検討してみてはいかがでしょうか。

以上、何かの参考になれば幸いです。