公務員を6年で辞めたときの退職金はいくら?計算方法と実際の支給額を公開します

先日、ぼくが勤めていた自治体より退職金の振り込みがありました。

公務員って、最低6ヶ月以上勤めていれば退職金がもらえる制度になっているんですよね。
もちろん勤めた期間が少なければ、退職金の額もそれなりに落ち着くのですが…。

公務員を数年で辞めてしまったときの退職金って、定年退職のそれと比べると珍しいケースなので、あまり詳細に語られることが多くないように感じます。

ということで今回は、ぼくの実例をもとにして、「公務員の退職金」をテーマに書いてみたいと思います。
1つのサンプルとして、何かの参考になれば幸いです。

ぼくの退職金支給額

まずは公務員を6年で退職したぼくのケースをご紹介します。

前提条件としては、次のような感じです。

  • 4年制大学卒
  • 地方上級(一般行政職)での採用
  • 2016年4月~2022年3月の6年間在籍
  • 最後の2か月は適応障害のため休職

ぼくは実際には最後の4ヶ月くらい仕事に行けていなかったのですが、そのうちの前半は「病気休暇」という有給が使えていたので、「休職」という扱いになるのは約2か月間でした。

後述しますが、この休職の経歴が退職金の額に意外と大きく響いてくるのです…。

ともあれ、支給された金額を公開します。

こちらです。

どどん。
約58万円でした。

そこから給与特別徴収税額(4,5月分の住民税)が引かれて、実際に口座へ入ったのは約55万円ほどですね。

通帳を見たときのぼくの所感としては、

ぼく

んー…まぁまぁ、こんなもんだよなぁ…。

といった感じでした。

いや、6年間公務員として身を置いていた対価としてこれだけ貰えるというのは、本当にめちゃくちゃありがたい限りなのですよ。

しかし一方で、この退職金を「当面の生活費」としてアテにしようと思えば、かなり心もとないのも事実。
何せぼくには転職先がないのです。

安定した収入源なき身と言えども、健康保険料住民税といった出費は容赦なく襲ってきますからね。
そしてこれらは前年の所得をベースに金額が決まるので、今年は特に痛い出費となるでしょう。

退職金のほとんどは税金関係に消えていってしまうと考えてもいいかもしれません。

退職金の計算方法

ところで公務員の退職金は、こんな計算式で算出されています。

A.基本額【①給料月額 × ②支給割合】
  +
B.調整額【③調整月額 × 60】

計算に必要な各要素のイメージとしては、次のような具合です。

① 給料月額:いわゆる基本給
② 支給割合:長く勤めるほど増えていく倍率
③ 調整月額:役職に応じたボーナスポイント

どうでしょう、公務員が扱う給付金の計算式にしては、まあまあシンプルでわかりやすい部類なんじゃないでしょうか。

A.基本額

基本額は、①月額給料②支給割合を掛け合わせて決まります。

ぼくの場合は、退職時の月額給料はざっくりと23万円くらいでした。

そして支給割合というのがこちらのとおり。

支給割合の表の抜粋
内閣官房HP「国家公務員の退職手当制度の概要」より
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_c3.html

今回適用された支給割合は、赤枠で囲ってある部分。
「自己都合退職」かつ「勤続年数5年」の、2.511でした。

「傷病」でなく「自己都合」なのは、最終的に辞職を申し出たのが自分だから。

そして6年間在籍したのになぜ勤続年数5年なのかというと、休職期間があるからなんですね。

退職金算出の際の「勤続年数」においては、休職していた期間の一部が除算されてしまいます。

さらに、勤続年数が1年に満たない場合は、その分は切り捨てることとされています。

ぼくのケースでは在職期間「6年」から休職期間「2ヶ月」の1/2が除算されて、「5年11ヶ月」
端数を切り捨てて、5年というわけです。
たった1ヶ月足りないだけでも大きな影響があるんですね…。

B.調整額

次に調整額は、役職についていた人がもらえる追加分です。

内閣官房HP「国家公務員の退職手当制度の概要」より
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_c3.html

区分が分かりづらいですが、

  • 行(一)3級:主任級
  • 行(一)4級:係長級
  • 行(一)5級:補佐級

みたいな感じ。
役職が上がるほど調整月額も上がっていく仕組みですね。

そして赤線にあるとおり、調整額は9年以下で自己都合退職した場合にはもらえません。

ぼくのケースでは調整額は無視して、基本額だけで退職金が決まることになります。

まとめ

というわけでぼくの退職金は、

給料月額(約23万円)×支給割合(2.511)=約58万円

という具合に算出されたわけです。

これから公務員を途中退職される方は、給料月額と支給割合を自分のものに置き換えて計算すれば、退職金の額を試算することができるはずです。
気になる方はぜひやってみてくださいね。
(自治体の条例によって違いがあるかもしれませんが、大体は国の規則に準じていると思うのであまり大差はない気がします。)

さて、今回の退職金で個人的に残念だったのは、やはり勤続年数が5年となってしまった点ですね。
だってこれが6年なら、退職金は10万円以上もプラスになる計算なのです…。

公務員人生で最もつらかった最後の1年が退職金にカウントされていないと思うと、なんとも悲しい気もしてきます。

…とはいえ、自分がコントロールできない部分を気にしていても仕方ありません。

「こんなことなら休職をあと数ヶ月待てばよかった」
ともまったく思わないですしね。

退職金はあくまでオマケ。

最後にお金が貰えてうれしい!というポジティブな感情だけ覚えておいて、自分がコントロールできる今後の生活に集中していけたらと思っています。