退職後に必要なお金事情:年金+住民税+健康保険の合計出費はどのくらい?【28歳退職のケース】

仕事を辞めた後、しばらく働かずにのんびりしようと考えている人にとっては、お金の問題が重要事項となります。

現時点で貯金はどのくらいあるのか。
毎月の支出はどのくらいかかるのか。

結局、「いつまで無収入で大丈夫か」がわからなければ、のんびりしようにも落ち着かないですもんね。

そんなお金の見通しを立てる上で、退職後にかかってくる保険料・税金関係の支出は、決して無視できない項目と言えます。

この記事では、実際にぼくが退職した際に納めた保険料や税金の額をお示していきます。
退職後にかかる出費の規模感を把握する際の参考になればと思います。

退職後の出費ビッグ3

ずばり、退職後にかかってくる大きな支出というのは、主に次の3つです。

  • 国民年金保険料
  • 住民税(市町村・県民税)
  • 国民健康保険料

年金も住民税も健康保険料も、会社勤めのサラリーマンであれば毎月の給料から天引きされているので、普段はあまり意識しないお金かもしれません。

仕事を辞めた後は、こうした負担が直接個人に1年分まとめてガッツリ請求される形となります。

さらにいずれも4月~7月くらいの時期に集中して納入通知書が届くので、出費が重なるぶん家計へのインパクトがとても大きいのです。

具体的な金額とともに、順に紹介していきます。

① 国民年金保険料

まずは国民年金の保険料

いわゆる年金制度の掛け金ですね。
20~60歳の間は、基本的にはすべての人が毎月分を納めることとなっています。

ぼくが今年納めた国民年金の保険料は、

約16万円(年間一括払い)

でした。

会社勤めの場合は、「厚生年金」という枠組みの中で、年収に応じて変動する保険料を負担しています。

一方、雇用されていない人は「国民年金」に入ることとなり、各個人が一律定額の保険料を年金機構へ直接納めることになるわけです。

ちなみに国民年金の保険料は、サラリーマン時代の厚生年金の保険料に比べればお安く済みます。
その分、将来もらえる年金の支給額も少なくなるんですけどね。

また月々で払い込むよりも、1年分をまとめて前納した方が保険料の総額が安くなる仕組みとなっています。
一括払いでも月々払いでも、将来の支給額は変わりませんので、これは単純に前納したほうがオトクということです。

② 住民税(市町村・県民税)

続いては、市町村民税および県民税です。
一般に住民税と呼ばれる税金ですね。

ぼくが今年納めた住民税の額は、

約20万円

でした。

住民税は、住民票を置いている自治体から徴収される税金で、ゆくゆくは道路工事やら福祉施策やら、身の回りの公共的な用途に使われるものです。

住民税の額の算出については、いわゆる累進課税という仕組みで、その人の所得の大小によって変動します。

たくさん稼いで所得が大きい人は、住民税も高い。
あまり稼がず所得が少ない人は、住民税も安い。

ちなみにぼくの前年の給与所得は、だいたい350万円くらいでした。
各々の控除によって最終的な税額は変動しますが、ひとつの目安としてどうぞ。

③ 国民健康保険料

最後に、国民健康保険の保険料です。

私たちの身に何かあっても医療費が3割負担で済むように、相互扶助の仕組みとして用意されている制度ですね。

今年納めた国民健康保険料は、

約32万円

でした。

サラリーマンが加入する保険としては、健康保険組合・協会けんぽ・共済組合…などいろいろな健康保険のバリエーションがあるのですが、そのどこにも属さない(雇用されていない)人であれば、すべてこの「国民健康保険」に含まれることになります。

国民健康保険の保険料は世帯単位で計算されるので、家族構成によって金額は変わります。
また住民税とおなじく累進課税の方式がとられており、所得によっても変動します。

ぼくは単身世帯なので保険料は比較的安く済んでいるはずなのですが、それでもこの価格。
なかなかお高いですね。

日本の医療制度は非常に手厚いので、安心を得るためのサブスク代としては割安ともいえるのかもしれません。

収入がなくても支出は大きい

ということで、ぼくの退職後の支出をまとめてみると、

  • 年金:約16万円
  • 住民税:約20万円
  • 健康保険:約32万円

合計:約68万円

これだけのお金が一気に貴重な貯金から出て行ってしまいました。

退職後すぐに転職して働き始めるのならまあいいのですが、ぼくのようにしばらく仕事から離れてのんびりしたい人にとっては、かなり痛い出費と言えるでしょう。

ぼく

こっちは収入源がなくなって苦しいのに、どうしてこんなにお金を取られるんだ…!

と嘆きたくもなるところですが、この負担の大きさには主に2つの理由があります。

理由1:負担割合が増えたから

ひとつは、保険料の負担割合が退職によって増えたためです。

これは①国民年金③国民健康保険に関する理由ですね。

会社に雇用されているときは、「社会保険」という手厚い福利厚生の恩恵を受けられる身分にあったので、本来自分が納めるべき保険料のうち半分を会社が負担してくれていました。

しかし、国民年金・国民健康保険に加入している場合は、誰も保険料を肩代わりしてくれる人がいません。

要するに、退職して負担が大きくなったというよりも、会社に勤めていた間は負担が少なく済んでいた、というほうが正しいんですね。

理由2:前年度所得が高いから

もうひとつは、前年の所得をもとに金額が算出されているためです。

これは②住民税③国民健康保険に関係しています。

住民税も健康保険も、計算の基礎となるのは去年どれだけ稼いだかです。
今年の負担が大きいのは、まだ働いていた頃の去年1年間でたくさん稼いだからなんですね。

退職してからまったく働いていない状態でも、それがすぐには税金や保険料に反映されていないので、どうしても無収入+高額請求の苦しいコンボとなってしまいます。

逆に言えば、退職した年の支出を乗り切ってしまえばもう大丈夫。
来年は今年の所得をもとに額が算出されるので、退職後の収入状況・生活水準に見合った負担に抑えられるということです。

退職者の宿命ということで、なんとか1年を耐えきりましょう。

まとめ

以上、退職後に待っている大きな支出、

  • 国民年金保険料
  • 住民税(市町村・県民税)
  • 国民健康保険料

についての紹介でした。

合計で約68万円

ぼくの場合はこれに加えて普通自動車税の支出も同時期に重なったので、なんだかんだで70万円を超えるダメージとなってしまいました。

退職時には約58万円の退職金をもらっていたので、なんとかこれで初年の税金関係を乗り切るぞ!と考えていたのですが、全然足りませんでしたね。
生きるだけでお金がかかるんだなあ、というのを改めて実感しました。

これから退職して無収入となる予定の方は、ぜひこうした支出も見越したうえで、退職後の生活を考えてみてくださいね。

ちなみに本当に貯金もなくて働けない事情がある人は、一定の条件次第で保険料等の猶予や減免の申請が認められる場合もありますので、

に問い合わせいただくのをオススメします。