休職から退職へ。最後の挨拶は無理して行かなくてもいい

体調を崩して休職に入ったものの、なかなか回復が見込めず、そのまま復職することなく退職を選ぶケースは少なくないと思います。

そうした場合にありがちな悩みとして、
「最後に職場へ退職の挨拶をしに行った方がいいのかな…。」
というものがありますよね。

挨拶に行くなら、そこで話す内容も考えておかないといけないし、お世話になった職場へ菓子折りなんかも必要なんじゃないか…。
などとあれこれイメージしているうちに、なんだか気が滅入ってきてしまいます。

ぼくは色々考えた結果、結局は「一切職場に挨拶をしないまま退職する」という選択肢をとりました。

今回は、ぼくなりの結論として、
「迷った時点で退職の挨拶には行かなくていい」
という考えについて書いていきます。

今同じように迷っている方の参考になれば幸いです。

迷っている事実に注目する

たいていの場合、挨拶に行くべきかどうかという悩みが生じる源泉には、
「最後くらい挨拶してから退職するのが社会人として当然だ」
という強い観念があるように思います。

いわゆるマナーとか常識というやつですね。

ぼくたちはみんな社会との関りの中で生きているので、常識的なふるまいをすることは、円滑な人間関係を維持するためにとても重要です。
常識で考えれば、退職の挨拶も行くべきなのかもしれません。

しかしここでもっと注目すべきポイントは、現に自分が迷っているという事実のほうだと思うのです。

迷いが生じているということは、自分の中で、
「でもやっぱり行きたくないなぁ…」
という本心が、常識も揺らいでしまうほど大きなパワーを秘めてくすぶっているわけです。

  • 職場にはどうしても相性の悪い人がいて、もう会いたくない
  • 体調上の理由から、挨拶に行くのが負担に感じる
  • ただ単に挨拶の文化がぶっちゃけ面倒くさい

などなど詳細は様々でしょうが、こういった正直な思いが確かに存在しているはずです。

そうでなければ、はじめから迷う余地なんてないですもんね。

挨拶に行かなくていい理由

本心で 「行きたくない」 のであれば、もうそれ以上無理して迷わなくてもいいんじゃないでしょうか。

ぼく

常識より本心の方を優先して、「行かない」 と決めてしまえばいいよ!

というのがぼくの意見です。

そう考える理由としては、主に次の2つがあります。

  • 働けないほどの境遇にいるから
  • 行かなくても悪影響はないから

働けないほどの境遇にいるから

そもそも、悩んでいる当人は今、休職中の身なのです。
何らかの事情で仕事に従事することもできない状態にいて、長期的に療養に専念することを必要としています。

そんな体調を考えれば、そう簡単に職場に行けないというのも極めて自然なことだと思います。

ぼくの場合は適応障害による休職でしたが、少し職場との関わりが生じただけで緊張と不安が高まってしまい、そこからしばらくは体調不良が続く傾向にあるのを自覚していました。

退職の挨拶とはぼくにとって、自らの心身の健康を犠牲にする行為に他ならなかったのです。
だから自分の体調を守るため、一切の挨拶をやめ、職場との接点を極力作らないよう努めることにしました。

非常事態である今、優先すべきはマナーよりも自分自身のはずですよね。
まずは身の安全の確保から。

周囲だって、良識ある人ならちゃんと事情を察してくれると思います。

行かなくても悪影響はないから

職場の中には、挨拶に来なかったことを良く思わない人もいるかもしれません。
非常識だとうわさされる可能性もあると思います。

しかし、だからといってどうなのでしょう。

退職してしまえば、もうその人たちと会うことはないわけです。
今後嫌味を言われる機会もないし、気まずい思いで一緒に働く必要もありません。

さらにいえば、その人たちも毎日仕事で忙しいので、退職した人の挨拶のことなんて気にもとめないケースも多いのではないでしょうか。

組織との関係は、退職してしまえばそれで終わりです。
マナーや常識に背いて嫌われたところで、特に自分への悪影響があるわけでもなし。

しかし自分自身との付き合いは一生ですよね。
自分の本心に背いてしまえば、その影響は退職後もずっと、自分で受け止めることになります。

常識はあくまで他人のもの、本心は自分のものです。

ぼく

自分の本心がわかるのは自分だけですから、ちゃんと大事にしてあげたいですね。

まとめ

そういうわけで、結論です。

退職の挨拶は、迷ったら行かない

と、こんな感じでシンプルに決めてしまったらいかがでしょうか。

…と、それでもやっぱり決めきれない方は、
「最後に挨拶に行けなかったことを後悔してしまうのでは…」
という思いがあったりするのかもしれません。

そんなときは、
「ちょっと辛いけど、自分の中でスッキリ区切りをつけるために挨拶に行く!」
といった決断も、これはこれでとっても素晴らしいことだと思います。
その方が負担が少ないと言う人もいるでしょう。

いずれにせよ真に重要なのは、挨拶に行く行かないではなく、それが本心に沿った行動かどうかという部分です。

常識、マナー、世間体…
色んな固定観念がごちゃまぜになって形成された価値観の中から、自分が本当にどうしたいかを切り分けて考える必要があります。

何が本心で何が余計なものか、意識してちゃんと区別していけたらいいですよね。
ぼくもそう心がけていきたいです。

休職から退職を迎えようとしている方々の今後の展開が、負担や後悔なくスムーズにいくようお祈りしています。